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弁護士 小田 康夫
2017.04.05
2017.04.05
消費者被害の実例~初級編~
「私は、訪問販売で10万円の化粧品を購入しました。その化粧品を少し使ってみましたが、肌に合いません。業者に連絡してみましたが、『契約書に書いてある通り、一部使ったなら返金はしない』と言われ、対応してくれません。代金の返還を求めることができませんか。」
消費者被害というと、「悪徳商法!」というイメージが強いですが、実際の取引の中身は多種多様です。上記のような相談例の他にも、ⅰ「健康器具を買ったが、壊れていた」、ⅱ「おばあちゃんが、自宅に来る営業マンと仲良くなってしまって、布団をたくさん買っていた」、ⅲ「子供が勝手に親の名前で高額なネットショッピングをした」、ⅳ「実際に、着物を購入していないけど、頼まれて契約をしてしまった」・・・。業者側に問題があるケースもあれば、購入者側に落ち度があるケースもあります。購入した物やサービスそれ自体に問題があれば、債務不履行等を理由に解除できますし(→ⅰ)、購入した物がないのであれば、契約は不成立ですから、「売主」からの請求に応じる必要はありません(→ⅳ)。
では、購入した物やサービス自体に問題がないケースでも、支払いをしなくて済む方法がないか。真っ先に考えるべきは、クーリングオフです(特定商取引法9条、24条、40条、48条、58条)。一定の取引類型に限定してはいますが、無条件の解除権を認めているため、依頼者に落ち度があっても、原則8日以内なら契約を白紙撤回できます(→ⅱ)。なお、業者が法律で定められた書面を交付しない場合や不備のある書面を交付した場合には、クーリングオフの期間は進行しません。
仮にクーリングオフができない場合でも、割賦販売法や特定商取引法で定めた一定の類型にあたれば、契約を解除ができるケースがあります。ⅱのケースでは、「訪問販売」に該当し、かつ「過量販売」(必要のない物をたくさん買わせた)事例ですから、契約締結から1年以内であれば解除ができます(特定商取引法9条の2)。
これらでも、対応できないときは、消費者契約法や民法上の取消権、さらに公序良俗(民法90条)により無効として契約から抜け出し、支払いをしなくて済む、あるいは支払った代金を返還できる場合があります(→ⅲ)。
上の相談の場合、「訪問販売」であり、法律で定められた書面の交付を受けて8日以内であれば、クーリングオフをして未使用部分に対応する代金の返還を求めることができます。「一部使用した場合には、代金を返還しない」との記載があっても、その定めは無意味ですから、気にする必要はありません(特定商取引法10条)。
以上のように、「消費者被害」と言っても多種多様な取引が含まれており、取引ごとに個別に検討していく必要があります。そのため、相談をする際には、①どのような商品、サービスを購入したか、②それらを提供された日時、場所、③どのような書類をいつ受領したか、④代金は支払い済みか否かなどを事前にまとめておくと良いでしょう。そして、代金の決済手段として、クレジットカード会社(信販会社)を利用していた場合、問題はさらに複雑化していきます。それについては次回触れます。
消費者被害というと、「悪徳商法!」というイメージが強いですが、実際の取引の中身は多種多様です。上記のような相談例の他にも、ⅰ「健康器具を買ったが、壊れていた」、ⅱ「おばあちゃんが、自宅に来る営業マンと仲良くなってしまって、布団をたくさん買っていた」、ⅲ「子供が勝手に親の名前で高額なネットショッピングをした」、ⅳ「実際に、着物を購入していないけど、頼まれて契約をしてしまった」・・・。業者側に問題があるケースもあれば、購入者側に落ち度があるケースもあります。購入した物やサービスそれ自体に問題があれば、債務不履行等を理由に解除できますし(→ⅰ)、購入した物がないのであれば、契約は不成立ですから、「売主」からの請求に応じる必要はありません(→ⅳ)。
では、購入した物やサービス自体に問題がないケースでも、支払いをしなくて済む方法がないか。真っ先に考えるべきは、クーリングオフです(特定商取引法9条、24条、40条、48条、58条)。一定の取引類型に限定してはいますが、無条件の解除権を認めているため、依頼者に落ち度があっても、原則8日以内なら契約を白紙撤回できます(→ⅱ)。なお、業者が法律で定められた書面を交付しない場合や不備のある書面を交付した場合には、クーリングオフの期間は進行しません。
仮にクーリングオフができない場合でも、割賦販売法や特定商取引法で定めた一定の類型にあたれば、契約を解除ができるケースがあります。ⅱのケースでは、「訪問販売」に該当し、かつ「過量販売」(必要のない物をたくさん買わせた)事例ですから、契約締結から1年以内であれば解除ができます(特定商取引法9条の2)。
これらでも、対応できないときは、消費者契約法や民法上の取消権、さらに公序良俗(民法90条)により無効として契約から抜け出し、支払いをしなくて済む、あるいは支払った代金を返還できる場合があります(→ⅲ)。
上の相談の場合、「訪問販売」であり、法律で定められた書面の交付を受けて8日以内であれば、クーリングオフをして未使用部分に対応する代金の返還を求めることができます。「一部使用した場合には、代金を返還しない」との記載があっても、その定めは無意味ですから、気にする必要はありません(特定商取引法10条)。
以上のように、「消費者被害」と言っても多種多様な取引が含まれており、取引ごとに個別に検討していく必要があります。そのため、相談をする際には、①どのような商品、サービスを購入したか、②それらを提供された日時、場所、③どのような書類をいつ受領したか、④代金は支払い済みか否かなどを事前にまとめておくと良いでしょう。そして、代金の決済手段として、クレジットカード会社(信販会社)を利用していた場合、問題はさらに複雑化していきます。それについては次回触れます。