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弁護士 鍛冶 孝亮
2019.12.12
2019.12.12
グラゼニ
1 プロ野球のシーズンが終わり、選手の契約更改が行われる今の時期を「ストーブリーグ」(英語:「hot stove league」)と呼んでいます。
語源は、冬の寒い時期に、野球ファンがストーブを囲んで選手の移籍などの噂話をすることからきています。
野球ファンが一番気になるのは、選手の移籍の話でしょう。選手の移籍によりそれぞれの球団の戦力に影響を与えるからです。
特定のチームを応援している場合、チームが新しく獲得する選手や出ていく選手が気になって仕方ありません。
2 私が応援している東京ヤクルトスワローズの話になりますが、ウラディミール・バレンティン選手の去就が、ヤクルトファンの中では一番の話題となっています。
バレンティン選手は、2011年から毎年フル出場し毎年30本以上の本塁打を放っています(故障した2015年を除く)。そして、2013年には日本プロ野球史上初のシーズン本塁打60本の記録を樹立しています。
人柄も良くファンからも愛されている選手です。ヤクルトファンの全員が残留してほしいと望んでいるのではないでしょうか。
現在は、自由契約(選手が特定チームの支配下に置かれておらずどのチームとも選手契約を結べる状態)となっており、福岡ソフトバンクホークスへ移籍することが濃厚と報道されています。
3 ヤクルトは、昔から活躍した外国人選手が他球団に移籍することが多く、移籍する理由は金銭面にあると言われています。
つまり、ヤクルトが提示した年俸よりも、高額の年俸を支払ってくれる球団へ移籍するのです。
ファン心理としては、球団に愛着を持っていると思っていたのに、結局はお金なのかと感じてしまいますが、週刊モーニングで連載されている『グラゼニ』という作品を読んで考え方が変わりました。
4 この作品は、プロ野球を題材にした作品の中では珍しくプロ野球選手の年俸や契約をテーマとした作品です。
タイトルである『グラゼニ』とは、「グラウンドにはゼニが落ちている」という言葉を略したものです。
プロ野球選手としていかにしてお金を稼ぐのかという視点から描かれており、契約更改時の球団からの査定や交渉、FAやポスティングの仕組みや発生する金銭について、引退後の再就職の話(解説者や球団職員へ就職)、年俸が大幅に下げられた場合の住民税の負担など、プロ野球を見ているだけではわからないことを教えてくれます。
プロ野球選手は、成績を残さなければ年俸は上がっていきませんし最悪退団させられます。それなりに実績があったとしても怪我による故障で選手を続けることができなくなることも珍しくありません。
NPB(日本野球機構)のHPで発表している2016年から2018年までの各年の戦力外・現役引退をした選手の平均年齢や平均在籍年数は以下のとおりです。
(2016年)
平均年齢29.6歳、平均在籍年数8.5年
(2017年)
平均年齢29.4歳、平均在籍年数8.1年
(2018年)
平均年齢29.2歳、平均在籍年数8.3年
あくまでも平均ではありますが数字上は、結婚や子育てという人生でもっともお金がかかると思われる時期にプロ野球選手を辞めて第二の人生を探さなければなりません。
作品では、これまで野球しかしたことがないのに、突然の戦力外通告でこれからどうしていければよいのかと苦悩する選手も登場します。
テレビ番組でも特集されることもありますが、引退後に飲食店を起業する元選手もいますが、飲食業も名前だけではやっていけるわけではなく、非常に苦労している人も多いようです。
作品を読むと、プロ野球選手は現役時代にどれだけ稼いでおくかの重要性を実感できます。
また、ドラフトによる入団した新人選手には契約金が支払われることになりますが、引退するときの退職金として考え、契約金には手を付けるべきではないという話も出てきます。
ちなみに、球団から支払われる年俸の総額が5億円だとしても、所得税、住民税、消費税といった税金を支払うと、手取りの額は2億円ちょっとになるといわれています。累進課税制度は中学や高校で習うことになりますが、個人で数億円も税金を納めるというのは想像がつきません。
このように選手としても最終的に受け取る金額は非常に重要ですので、過去には、選手会から球団側へ消費税を引いた実際の金額を選手側に通達するよう要望したこともあります。
(2017.5.5 サンスポ記事)
https://www.sanspo.com/baseball/news/20170505/npb17050514330002-n1.html
5 この『グラゼニ』を読んでみて、選手にとって一番大切なことはいかにプロ野球選手としてお金を稼ぐのか、そしていかに自分を評価してより多くのお金を支払ってくれる球団でプレーするのかいうことがわかってきます。
選手側のこのような事情を知ると、高額な年俸を支払ってくれる球団へ移籍することを責めることはできません。
球団やファンに愛着もある中、苦渋の判断で移籍を決めるプロ野球選手もいることは理解しないといけないと思いました。
ちなみに、バレンティン選手ですが、ソフトバンクへ移籍が決定的と報道されてから既に1週間以上たちますが、正式な発表はありません。
残留してくれるのであればこれまでどおり応援しますし、もし移籍することになっても、これまでの功績に感謝しつつ、新天地での活躍を願います。
語源は、冬の寒い時期に、野球ファンがストーブを囲んで選手の移籍などの噂話をすることからきています。
野球ファンが一番気になるのは、選手の移籍の話でしょう。選手の移籍によりそれぞれの球団の戦力に影響を与えるからです。
特定のチームを応援している場合、チームが新しく獲得する選手や出ていく選手が気になって仕方ありません。
2 私が応援している東京ヤクルトスワローズの話になりますが、ウラディミール・バレンティン選手の去就が、ヤクルトファンの中では一番の話題となっています。
バレンティン選手は、2011年から毎年フル出場し毎年30本以上の本塁打を放っています(故障した2015年を除く)。そして、2013年には日本プロ野球史上初のシーズン本塁打60本の記録を樹立しています。
人柄も良くファンからも愛されている選手です。ヤクルトファンの全員が残留してほしいと望んでいるのではないでしょうか。
現在は、自由契約(選手が特定チームの支配下に置かれておらずどのチームとも選手契約を結べる状態)となっており、福岡ソフトバンクホークスへ移籍することが濃厚と報道されています。
3 ヤクルトは、昔から活躍した外国人選手が他球団に移籍することが多く、移籍する理由は金銭面にあると言われています。
つまり、ヤクルトが提示した年俸よりも、高額の年俸を支払ってくれる球団へ移籍するのです。
ファン心理としては、球団に愛着を持っていると思っていたのに、結局はお金なのかと感じてしまいますが、週刊モーニングで連載されている『グラゼニ』という作品を読んで考え方が変わりました。
4 この作品は、プロ野球を題材にした作品の中では珍しくプロ野球選手の年俸や契約をテーマとした作品です。
タイトルである『グラゼニ』とは、「グラウンドにはゼニが落ちている」という言葉を略したものです。
プロ野球選手としていかにしてお金を稼ぐのかという視点から描かれており、契約更改時の球団からの査定や交渉、FAやポスティングの仕組みや発生する金銭について、引退後の再就職の話(解説者や球団職員へ就職)、年俸が大幅に下げられた場合の住民税の負担など、プロ野球を見ているだけではわからないことを教えてくれます。
プロ野球選手は、成績を残さなければ年俸は上がっていきませんし最悪退団させられます。それなりに実績があったとしても怪我による故障で選手を続けることができなくなることも珍しくありません。
NPB(日本野球機構)のHPで発表している2016年から2018年までの各年の戦力外・現役引退をした選手の平均年齢や平均在籍年数は以下のとおりです。
(2016年)
平均年齢29.6歳、平均在籍年数8.5年
(2017年)
平均年齢29.4歳、平均在籍年数8.1年
(2018年)
平均年齢29.2歳、平均在籍年数8.3年
あくまでも平均ではありますが数字上は、結婚や子育てという人生でもっともお金がかかると思われる時期にプロ野球選手を辞めて第二の人生を探さなければなりません。
作品では、これまで野球しかしたことがないのに、突然の戦力外通告でこれからどうしていければよいのかと苦悩する選手も登場します。
テレビ番組でも特集されることもありますが、引退後に飲食店を起業する元選手もいますが、飲食業も名前だけではやっていけるわけではなく、非常に苦労している人も多いようです。
作品を読むと、プロ野球選手は現役時代にどれだけ稼いでおくかの重要性を実感できます。
また、ドラフトによる入団した新人選手には契約金が支払われることになりますが、引退するときの退職金として考え、契約金には手を付けるべきではないという話も出てきます。
ちなみに、球団から支払われる年俸の総額が5億円だとしても、所得税、住民税、消費税といった税金を支払うと、手取りの額は2億円ちょっとになるといわれています。累進課税制度は中学や高校で習うことになりますが、個人で数億円も税金を納めるというのは想像がつきません。
このように選手としても最終的に受け取る金額は非常に重要ですので、過去には、選手会から球団側へ消費税を引いた実際の金額を選手側に通達するよう要望したこともあります。
(2017.5.5 サンスポ記事)
https://www.sanspo.com/baseball/news/20170505/npb17050514330002-n1.html
5 この『グラゼニ』を読んでみて、選手にとって一番大切なことはいかにプロ野球選手としてお金を稼ぐのか、そしていかに自分を評価してより多くのお金を支払ってくれる球団でプレーするのかいうことがわかってきます。
選手側のこのような事情を知ると、高額な年俸を支払ってくれる球団へ移籍することを責めることはできません。
球団やファンに愛着もある中、苦渋の判断で移籍を決めるプロ野球選手もいることは理解しないといけないと思いました。
ちなみに、バレンティン選手ですが、ソフトバンクへ移籍が決定的と報道されてから既に1週間以上たちますが、正式な発表はありません。
残留してくれるのであればこれまでどおり応援しますし、もし移籍することになっても、これまでの功績に感謝しつつ、新天地での活躍を願います。