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弁護士 久保田 庸央
2012.03.09
2012.03.09
裁判に勝てば必ずおかねはもらえるの?
表題の問いの答えはノーです。
「えっ!」と思われる方が多いでしょうか。
裁判で相手に支払を命じる判決がなされても、現実に支払がなされないことは残念ながらたくさんあります。
相手が裁判の結果通りに支払ってくれないような場合には、給料の差押え等の強制執行手続がありますが、財産(給料等の請求する権利も財産です。)のないような相手の場合には、そのような手続をとってもお金を回収することはできません。
これを前提とすると、裁判には勝てそうだが相手に支払能力がないという場合、弁護士としては、裁判をするより、何もしない方が得かもしれないというアドバイスをすることになります。
費用をかけて裁判に勝っても、相手から回収できなければ、裁判にかけた費用については、何もしなかった場合よりも損をすることになってしまうからです。
しかし、これは中々ご理解いただけません。というより、納得いただけません。
何年か前のことですが、裁判には勝てそうですが、勝っても相手の支払能力がなく、お金の回収が難しそうだったので、最終的には弁護士費用が無駄になるおそれが高いということで、何もしないことがこれ以上損失を広げないためにも一番得ではないかというアドバイスを差し上げて、裁判のご依頼をお断りした事件がありました。それと共に、裁判にかかる実費自体はそれほどかからないので、もしどうしても何かやるのであれば、弁護士を立てずにご自分で訴訟を起こしてはどうかとのアドバイスをさせていただきました。
数年後・・・
その方が再度ご相談に訪れました。ご自身で訴訟提起をしたらしく、1審で勝訴し、控訴されて2審でも勝訴していたのですが、相手が裁判で負けてもお金を払ってくれないというご相談でした。相手に支払能力がなさそうなのは相変わらずで、差押えの対象となりそうな財産もないということでしたので、回収は困難との回答を致しました。
裁判に勝っても何にもならないではないか等、散々愚痴をこぼされていましたが、当初のご相談の際に、そのようなご説明を差し上げていたことはご理解いただいていたようでした。ただ、納得いただけていないことは明らかでした。
ご相談の際に、回収が難しそうだから、何もしない方がいいのではないかというアドバイスをすると、かなりの高確率で、「それでは泣き寝入りですか。」と仰られます。あくまでも選択肢の一つとして何もしないという選択をするのだという意味で「損失を拡大させないための戦略的撤退です。」と返していますが、頭では理解しても、心で納得することは難しいかもしれません。
弁護士の側も様々な方法を駆使して回収のために努力していますが、それでも、現実に回収できない場合は生じてしまいます。
権利があることと、現実にお金になることは違う。
ない袖は振れない。
こういうことも踏まえて、事件処理の方針を決めていくことになります。
「えっ!」と思われる方が多いでしょうか。
裁判で相手に支払を命じる判決がなされても、現実に支払がなされないことは残念ながらたくさんあります。
相手が裁判の結果通りに支払ってくれないような場合には、給料の差押え等の強制執行手続がありますが、財産(給料等の請求する権利も財産です。)のないような相手の場合には、そのような手続をとってもお金を回収することはできません。
これを前提とすると、裁判には勝てそうだが相手に支払能力がないという場合、弁護士としては、裁判をするより、何もしない方が得かもしれないというアドバイスをすることになります。
費用をかけて裁判に勝っても、相手から回収できなければ、裁判にかけた費用については、何もしなかった場合よりも損をすることになってしまうからです。
しかし、これは中々ご理解いただけません。というより、納得いただけません。
何年か前のことですが、裁判には勝てそうですが、勝っても相手の支払能力がなく、お金の回収が難しそうだったので、最終的には弁護士費用が無駄になるおそれが高いということで、何もしないことがこれ以上損失を広げないためにも一番得ではないかというアドバイスを差し上げて、裁判のご依頼をお断りした事件がありました。それと共に、裁判にかかる実費自体はそれほどかからないので、もしどうしても何かやるのであれば、弁護士を立てずにご自分で訴訟を起こしてはどうかとのアドバイスをさせていただきました。
数年後・・・
その方が再度ご相談に訪れました。ご自身で訴訟提起をしたらしく、1審で勝訴し、控訴されて2審でも勝訴していたのですが、相手が裁判で負けてもお金を払ってくれないというご相談でした。相手に支払能力がなさそうなのは相変わらずで、差押えの対象となりそうな財産もないということでしたので、回収は困難との回答を致しました。
裁判に勝っても何にもならないではないか等、散々愚痴をこぼされていましたが、当初のご相談の際に、そのようなご説明を差し上げていたことはご理解いただいていたようでした。ただ、納得いただけていないことは明らかでした。
ご相談の際に、回収が難しそうだから、何もしない方がいいのではないかというアドバイスをすると、かなりの高確率で、「それでは泣き寝入りですか。」と仰られます。あくまでも選択肢の一つとして何もしないという選択をするのだという意味で「損失を拡大させないための戦略的撤退です。」と返していますが、頭では理解しても、心で納得することは難しいかもしれません。
弁護士の側も様々な方法を駆使して回収のために努力していますが、それでも、現実に回収できない場合は生じてしまいます。
権利があることと、現実にお金になることは違う。
ない袖は振れない。
こういうことも踏まえて、事件処理の方針を決めていくことになります。