平成２５年１０月１０日、ＡＮＡクラウンプラザホテル釧路で午後１時３０分から開催されたＴＫＣセミナーを受講してきました。企業再建弁護士として有名な村松謙一弁護士が、「会社の救済は、人生の救済～家族と会社を蘇らせる～」と題して講演してくださいました。受講後は、会場で販売されていた村松弁護士が書き下ろされた「いのちの再建弁護士　会社と家族を生き返らせる」を購入し、翌日、札幌高裁で裁判があったので、ＪＲの中で一通り読ませていただきました。


講演や著書にて、「倒産は命の問題だ。」と仰っていたことに、強く共感を覚えました。


私自身、倒産案件や個人の借金の問題を手掛けていますが、借金が原因で命を落とした方を多く見ています。個人の借金の問題では、私に全てを任せたという内容の遺族宛ての遺書を残して亡くなられた方もいらっしゃいました。会社の代表者の方が借金苦に亡くなられて、ご遺族から事後処理の依頼を頼まれたことも数件ありますし、会社の代表者の方が亡くなられて破産申立がなされた破産管財人や、民事再生事件の監督委員をつとめたこともあります。


弁護士から見ると、所詮お金の問題で、なぜ命まで…と思ってしまいますが、当の本人たちには、命をかけるほど重大な問題と思ってしまうのでしょう。一人で悩んでしまうことが多く、自ら命を絶つという誤った選択をしてしまうのでしょう。また、自殺して死亡保険金で借金を返済しようとする方もいますが、誰も死ぬまでして支払ってもらうことは望んでいないはずで、これも誤った選択でしょう。幸いにして、弁護士のところまで辿りつき、相談にまで至った場合は、思いつめていた多くの方が、安堵された様子でお帰りいただけます。


いくら借金をしたって、命までは取られません。自らの命を犠牲にしてまで支払わなくてはいけないものなんて存在しないはずです。一人で全て抱え込まずに弁護士に相談していただければと思います。また、会計事務所やご家族等、身近に接していられる方々も、なるべく早い段階で異変を察知して、弁護士のところへ相談するよう促していただき、最悪の事態にならないようにしていただければと思います。