1 子ども(3歳)に何か好きかと聞いたら、「新幹線」や「電車」と答えます。
線路の上を走る車両(新幹線、電車、蒸気機関車、ディーゼル機関車、路面電車など)全般が好きなようです。
小さいうちにプラレールのおもちゃをプレゼントしたり、新幹線のDVDを見せたりしたので、好きになったのかもしれません。
自分はそこまで鉄道には興味はなかったのですが、子どもが好きということで、日常的に鉄道の絵本や映像を見るようになり、新幹線の型番など少しずつ覚えるようになりました。
2 ところで、毎年冬の時期に釧網本線に蒸気機関車の観光列車が走ることは御存知でしょうか。SL冬の湿原号と呼ばれています。
釧路駅から標茶駅間を走行し、平成12年から運行している北海道で唯一のSL観光列車です。
そのような観光列車が運行しているというなんとなく知っていましたが、そこまで鉄道に興味がなかったため実際に見に行ったり乗ったことはありませんでした。
しかし今年は、子どもが喜ぶと思い、運行初日である1月23日に東釧路駅に見に行きました。
到着前から多くの人が駅のホームに集まっており、近くの陸橋にはカメラを構えている人もいました。
『鬼滅の刃』の影響(劇場版で蒸気機関車が出てくる)か、グッズを身にまといSL冬の湿原号を見に来ている子どもも多かったです。
遠くから黒煙を上げながら走ってくるSL冬の湿原号はなかなかの迫力でした。
SL冬の湿原号を目の間にして、子どもは乗りたいと叫んでいました(切符もないのに乗ろうとしたため必死に止めました)。
自分も乗ってみたい気持ちになっていたため、翌日24日の切符を手配して、親子で初めてSLに乗ることにしました。
※ 釧路駅発車前のSL冬の湿原号
今回は、釧路駅から標茶駅まで片道だけ乗ることにしました(帰りは家族に車で迎えに来てもらった)。
釧路駅を出発すると見慣れた街並みの中、SL冬の湿原号はゆっくり進みます。釧路町遠矢駅を過ぎると、釧路湿原を眺めることができます。白く染まった湿原の中には、エゾシカの姿を見ることができました。
茅沼駅の近くには多くのタンチョウが集まっていました。SL冬の湿原号の汽笛に驚いた数羽のタンチョウが飛び立つ姿も見ることができました。
釧路駅から標茶駅まで、1時間30分の旅です。
最後のほうになると子どもは少し飽きてきましたが、標茶駅に到着してもなかなか車内から降りようとはしませんでした。
新型コロナウイルスの感染防止のために、座席のテーブルには飛沫防止のパネルが設置されており、十分な間隔を空けた座席配置となっていました。
3 今年のSL冬の湿原号は、土日祝に運行し、釧路駅と標茶駅の間を一日一往復しています。
乗車したのは1月24日の1日だけですが、2月の週末は、可能な限り子どもと一緒にSL冬の湿原号を見に行きました。
よく行った場所は、旭橋通の近くにある舟着き広場です。ここでは、釧路川鉄橋を渡るSL冬の湿原号を一望でき、いつも多くの人がカメラを構えていました。
※ 釧路川鉄橋を渡るSL冬の湿原号
雲一つない寒空の下、黒煙を上げながら白い大地を走っていくSL冬の湿原号は絵になります。
乗っても良し、見ても良し、それがSLの魅力だと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大による観光客の減少で、厳しい経営状況のJR北海道ですが、来年もリニューアルしたSL冬の湿原号を運行させると発表してくれました。
来年の冬も楽しみです。
4 大人になってくると新しいことを体験する機会は減ってくると思いますが、子どもがいると違ってきます。
SL冬の湿原号は、子どもがいなければ一生乗っていなかった可能性もあり、その魅力も感じなかったかもしれません。
子どものおかげで人生が豊かになった気がします。